甘くて優しい青春恋物語 ~一途なプレイボーイはワルい男へ方向転換?~

 このままじゃ埒が明かない。そう思ったから。

 恥ずかしい事承知の上で、微かに震えている唇を動かした。

「み、はる……っ。」

 初めてだ。男の子を名前呼びしたの。

 今まで男友達を作ってこなかった事もあり、こういう時どうすればいいか分からない。

 それでも結局、目の前の彼がリードしてくれるから。

「あーもー……ほんっと可愛い。俺の理性、今切れちゃった。」

「へ……っ?」

「どろどろに甘やかされる覚悟はできた?」

「えっ、できてないけどっ……! ちょっと待ってよっ……んわぁっ!」

「できてなくても、理性とかもうないから止まんないよ。」

 その言葉を最後に、唇同士が当たる。

 熱が籠っている唇は何よりも艶っぽくて、乾らしくて。

「ん……ふ、ぁっ……。」

「名前、もう一回呼んで。」

「……ぜ、ったい?」

「絶対。ほーら杏、呼んでみて。」

 キス一つでここまで息が上がるのに、名前を呼べとか無理な話。

 そう反論したかったけど、乾を避けてしまっていた寂しさから、いとも簡単にその言葉は口から洩れた。