甘くて優しい青春恋物語 ~一途なプレイボーイはワルい男へ方向転換?~

「おいお前……っ、乾この野郎っ……!」

「この野郎はこっちのセリフ、なんだけど。」

 俺の可愛い可愛い彼女に手を出しやがって。

 ……とりあえず、もう一発入れないと気が済まない。

「俺の彼女に近付いたんだから、五体満足で帰れると思うなよ。」

 ほんとは、あんまり喧嘩したくないんだけど。

 一応武道の経験はあるから、一通り喧嘩はできる。

 なんて考えながら、さっきよりも重たい拳を入れた。

「ウグッ……。」

 その一発で、あっけなく気を失った男。

 よっわ……この程度で喧嘩売ってきたのか。

 もう一人の男は未だ起きそうにないし、さっさと撤退しよう。

 そう思った時だった。

「杏っ……?」

 ぎゅっと、強く腕を掴まれて引かれたのは。

 杏は俺の顔を見ないまま、どこかへ連れていく。

 どうしたんだろ、杏……。

 流石に今回のは心当たりがないから、困ってしまう。

 もしかして、喧嘩したのがまずかった?

 うわ~、そうだったら何て言えばいいんだろ……。

 素直にムカついたからぶん殴ったって言っていいのか、それともたまたま殴ったとでも言えばいいのか。