甘くて優しい青春恋物語 ~一途なプレイボーイはワルい男へ方向転換?~

 視線の先には、やっぱりというか怒っているらしい男共と愛しい彼女が。

 杏が嘘を吐くとも思えないし、あの男共の表情からぶつかったのはわざとらしい。

 何であーゆーチンピラって、人にいちいち突っかかりたいのかなー。

 そう、呆れた時だった。

「そーいやあんた、あの乾望遙の彼女なんだろー? 最近喧嘩したんだってなー、かわいそーに。」

「……何が言いたいんですか。」

「ん? いやー、せっかく可愛い顔してんだから……俺のもんになんねーかなって思ってさ。」

「っ、やめてくださいっ……!」

 まずい……っ。

 男共に腕を掴まれて、動きを封じられた杏。

 そんな彼女の姿を見て、助けに行かない男なんて一体どこに居るんだというのか。

 ……誰よりも愛おしい彼女が、得体の知らない男に連れていかれているというのに。

「ガハ……ッ!」

 考えるよりも先に、足が出ていた。

 反射的に男のお腹辺りを蹴り、体制を崩れさせる。

 その隙にもう片方の男に拳を入れてから、杏の腕を引いた。

 すると思ったよりも蹴りが浅かったのか、すぐに立ち上がった男。