甘くて優しい青春恋物語 ~一途なプレイボーイはワルい男へ方向転換?~

 ……そういえば、一緒に帰る事も拒否されちゃってんだよね。

 付き合い始めた時から俺は杏を家まで送って帰っている。それはもうほとんど習慣化していて、幸せな時間でもあった。

 杏と長く居られるのは幸せだし、心配だからと彼氏として堂々とできる。

 でも杏に拒否されている今、ただただ虚しい時間を過ごしていた。

 窓から差し込む夕焼けは綺麗で、少し熱い。

 俺の気持ちと相反しているように見えたからか、ちょっとムカついた。

 ……だけど、俺をもっとムカつかせるような出来事が直後に起こった。

「言いがかりはやめてください。ぶつかったのはあなたたちが広がって歩いてたからで……私はちゃんと避けました。」

「言い訳とかいいのよ。謝ってくれりゃー良いんだから。」

「私が悪いわけじゃないので謝りません。しかも、ちょっとぶつかったくらいで怒るような人たちには余計謝りたくありません。」

 この、強気で怖いものをなーんにも知らなそうな声。

 聞き慣れ過ぎた声で、思わず足先を声のほうへ向けていた。