甘くて優しい青春恋物語 ~一途なプレイボーイはワルい男へ方向転換?~

 だけど……流石に、何回も毎日言われていたら反応に困ってしまう。

 しかも、乾は心を入れ替えて努力している。

 私の嫌いなプレイボーイじゃなく、誠実で真摯な人に変わろうとしている。

 ……絆された、って言われても良かった。

 ここまで好意を示されて、好きにならない女子なんか居るだろうか?

 結局そういった結論に至った私は、負けた。

 乾に、完膚なきまでに落とされてしまったんだ。

『そろそろ一か月経つけど……杏、俺のこと好きになってくれた?』

『…………けた。』

『え?』

『負けた! 私、乾のこと好きになっちゃったの!』

『っ……本当に?』

『ここまで来て嘘なんて吐かない! 自分でもびっくりなの……ここまで、あんたのこと好きになるとか。』

 どうとでも思って。

 半ば投げやりな感じでそう言うと、その時乾はぎゅっと私を抱きしめて包んで。

『俺、今すっごく嬉しい。杏、この気持ち分かる? もう好きすぎてヤバい。ずっとこうしていたいくらい。』

 まるで壊れ物を扱うように、でも力強く離したくないと言わんばかりに抱きしめる乾。