甘くて優しい青春恋物語 ~一途なプレイボーイはワルい男へ方向転換?~

「一限くらい休んだって平気。ほら、こっち向いて。」

「いや無理。」

「んじゃ、強引にしていいわけ?」

「それはダメ!」

「だったら早く向いて。ほーら、良い子だからね。」

「んむっ……っ。」

 一瞬の隙をついて私にキスしてきた乾は、いつもの優しい目じゃなくて……ワルい男の時の、暗闇を宿らせた目をしていた。

 その目と交わり、ふっと吐息がかかる。

「キス、上手くなってるじゃん。けど、まだへばんなよ。」

「い、ぬいっ……んんぅ……っ。」

 抵抗しても、力が抜けていくからか抵抗にならない。

 でも、嫌な気持ちじゃない。

 乾のことは好き、だし信頼も一応してる。だから、何されたって大丈夫、だけど……。

「そーそー、やっぱ上手くなってる。マジで可愛い。」

 ――この乾は、なんだか好きじゃない。

 自分からお願いしといて何だって話だけど、この乾は好きになれない。

 この乾も“乾望遙”っていう人物なのは分かるし、完全に好きじゃないってわけでもない。

 それでも、なんていうか……乾はヘラヘラしてるのが、定石だったから。