甘くて優しい青春恋物語 ~一途なプレイボーイはワルい男へ方向転換?~

 乾は私の言葉に大体従順だ。私が「やめて。」と言わなきゃ、やめてくれないだろう。

 そう分かっているからこそ、また申し訳なさが込み上げてきた。

「……乾、ワルい男演じるの大変じゃないの?」

「全然。たまにこーやって息抜きしなきゃ確かにしんどいけど、俺もなんだかんだ楽しんでるし。」

「そっ、か……。」

 乾が楽しいなら、私は何も言えない。

 乾が大変じゃないなら、無理にやめてほしいと言わなくてもいい。

 ……だけど、やっぱり違和感しか感じない。

 ぼーっと、そう考えて目を伏せる。

「んわっ……!?」

 その瞬間乾は、私の腕を強く引いた。

 流れるように近くの壁に追いやられて、両手をついた乾。

「いぬ、い……? これは……」

「杏はさ、まだワルい男の俺に攻められた事ってなかったよね?」

「へ……?」

 言葉の意味は分かる。分かるけど……まさか、ここで何かする気!?

 一瞬にして悟った私は、なんとか抵抗を試みた。

「今授業中だよ!? さっさと授業戻らなきゃ、私もあんたも成績が――」