甘くて優しい青春恋物語 ~一途なプレイボーイはワルい男へ方向転換?~

「なーに読んでるの?」

「んわっ……!」

 急に背後から囁かれるように言われ、素っ頓狂にも程がある声を出してしまった。

 そのせいであからさまにこの男は、愉快そうにふふっと笑っている。

「ちょっと、急に話しかけてくるのはやめてって言ってるじゃん!」

「杏が慣れなさすぎなんだと思うけどなー、それ。……っていうか、俺は何読んでたか聞いてるんだけど。」

「あっ、ちょっ……乾っ!」

「……へー。」

 咄嗟に手を伸ばすも、ひょいと躱される。

 乾は手中に収めたその雑誌を、意味深に目を細めながら軽く読んだかと思うと。

「ねー杏ちゃん、こーゆー男が好きなの?」

「あの、乾……?」

「答えてよ。好きなの? キケンな感じの男が。」

 一体それに答えたところで、何をするんだと言うのか。

 急に接近されて迫られて上手に言葉が出なくなるも、ピコーンと私の頭に妙案が降ってきた。

 ……ここで「好き。」って答えたら、もしかしてワルい男をしてくれるんじゃないか?

 私は乾の違った一面を見てみたい。乾は私がワルな感じの男が好きなのか分かる。