「もう八月も終わるけど暑いね~、杏ちゃん。」

「確かに。でも、残暑きつい。」

「だよね~。それ、地球温暖化が進んでるからかもしれないよね。」

「ほんとそれ。こんな暑かったら溶ける。」

 朝、じめっと暑い気温の中、私は友達の空音と他愛のない話に花を咲かせていた。

 もう八月も終わりのこの時期。それだからか、最近は残暑が続いている。

 でも、お母さんによると昔はここまで暑くはなかったらしい。

 つまり、気温が年々上がっているという事だろう。

 うーん、暑いのは苦手だからそれは困る……。

 そう思っていても、科学技術に頼らなければ熱中症になってしまう。

「空音、私にも扇風機貸して。」

「いいよ~。」

 うわー、生き返るー……。

 空音にハンディ扇風機を貸してもらい、存分に涼む。

 その時の事だった。

「杏ちゃーん、おはよ。」

「ふひゃっ……!?」

 おもむろに背後から抱き着かれ、首元に吐息を当てられた。

 いきなりの事すぎて変な声が出てしまい、借りた扇風機を落としそうになってしまった。