そう言おうと思ったけど、理乃は助けてくれた立場なんだからそんなこと言えなくて。
「分かった。次から気をつける」
「うん」
「ごめんね、起こしちゃって。まだ寝てた方がいいよ。登校時間までまだまだあるから」
「いい。俺今日シゴト入ってるし」
あ、そっか。理乃はシゴトもあるんだ。アイドル、だもんね。
そんな中で学業両立って、やっぱすごい。
というか、結局理乃とは話さないつもりだったのに話しちゃった。
「絆創膏、どこ?」
「あ、いーよ。自分でやる」
「俺にやらせて」
「いいって」
「だめ」
「大丈夫」
「大丈夫じゃない」
これ以上押し問答しても折れなさそうなので、絆創膏の場所を教える。



