超人気アイドルの溺愛は、私にだけ。


ちょっと焦ったような感じでこっちまで来て心配してくれる理乃。ていうか、やっぱり起こしちゃったか。申し訳ない……。


「っうん、大丈夫。」

「大丈夫じゃないじゃん。血、流れてる」


切れた人差し指を隠そうと指を絡ませたけど、流れ落ちる血で理乃は気づいちゃったみたい。


「このくらい大丈夫だよ。舐めとけば直……」「そうやって」


目の前には怒ったような表情をしてる理乃。


「中学のときから、誰にも頼らずに全部1人で抱え込もうとする」

「っ、そんなことっ、」

「ちょっとは頼って」


語尾が弱々しくて、こっちは勘違いしそうになる。でも、理乃も、だよね。アイドルやるっていうの、最後まで言わなかったじゃん。