向こうも女子が嫌いだから、近づいてくることはなくて、2人一緒の空間にいても何も話さず、宿題をしたり本を読んだりしてた。


でも、ある日突然。理乃が話しかけてきた。

「なあ、なに読んでんの」

「え?えっとこれは、白雪姫」

「ふーん。面白い?」

「あ、うん」


それだけ、ただそれだけの会話だった。でもきっと、あの日私はあの漆黒の瞳に囚われてしまったんだ━━━━━。


次の日から私は理乃とよく話すようになった。噂とかで聞いてたのは「クール、無表情」とかだったけど、全然そんなことはなくって。


「そこは、18でしょ。ほらここ。ここも含めて計算しないと」

「うっ……。算数にがて……」