「おいしかった?」
「うん!めっちゃ!」
お母さんはニコッて笑うとリビングへ戻ってカバンをチェックし始めたから、そういえばもうすぐ飛行機の時間だって思い出す。
私もお母さんに続いてリビングに入ると、知らない女の人がいることに気づいた。
う、わ。ものすごい美女。モデルとかやってそうなくらいキレイ。
あれ、でもこの人どこかで見たことあるような……。
首を傾げていると、女の人がクスリと笑った。
「こんにちは。紗羅ちゃん。大きくなったわねぇ」
「こんにちは。……?どこかでお会いしたことありました?すみません、覚えてなくって」
「ううん、覚えてなくて当然。私が一方的に知ってただけだもの」