ひえ、忙しそう。やっぱりアイドルって大変そう。
「え、絶対そうだよね?」
「声かけちゃう?」
聞こえてきたのは女の子たちの声で。さっきまでとは違う、心臓の鼓動、ヒヤリとした嫌な予感がする。
「あのっ、理乃くんですよね?NOXの…!」
「私たちずっとファンで……!」
やっぱり、私のせいで目立っちゃったかな。女の子たちは顔を赤くして理乃に話しかけてる。でも、理乃はその女の子たちを無視して私に話しかけた。
「てゆーか、そんな荷物重くない?」
痛い。何が痛いって女の子たちからの視線がものすごく痛い。なんでこんな子が理乃といるんだっていう目。何回も体験したことがある。
「うん、大丈夫、ありがとう。じゃあね」



