「っひぁ!」
耳元で囁かれると、どうもお腹の下がずくんと熱を持つ。そんな私の反応を見て笑ってる理乃。
キュンとときめく胸に好きだなぁって、実感する。
「ねえ、理乃?」
「ん?」
「なんでアイドル、始めたの?」
これは中学生から、ずっと疑問。女嫌いな理乃にとってメリットなんかないのに。
「紗羅が、ライブしてたアイドル見て好きって言ってたから」
「え?私?」
「うん。俺、覚えてるから。紗羅が電撃ライブしてるアイドル見て、好きって言ったの」
あ……。思い出した。私、そのとき理乃が好きだったのに、照れ隠しで言っちゃった、やつ。
「あ、そういえばね。私中学生のとき、理乃のこと好きだったんだよ?でも、私の気持ちは迷惑だと思って、離れよって言ったの」



