「なにが?」
「理乃のいとこの高川先輩が理乃と付き合ってるって言って、それがすごく嫌で嫌で。だから理乃のこと諦めようと思ったから素っ気なくしてたの!」
溢れ出した思いと一緒に涙も溢れてくる。
ごく。と、理乃が喉を動かす音が聞こえた。
「ごめん紗羅、泣かないで」
「でも、ね、高川先輩がそのことは嘘って言って、私、理乃に会いたくて仕方なくて。だから今日、来ちゃったの」
「っ紗羅、それって」
「うん。私、理乃のことが好き、だよ」
……勢いで言ってしまった。目の前には大好きは人の顔。驚いた表情をしているけど、次の瞬間にはキツく抱きしめてきた。私も好きっていうことを伝えたくて広い背中に腕を回す。
「っ、紗羅っ」
「っ、」
落ちてきた唇。理乃の暑い温もりに脳が甘く痺れる。



