「ちょっと理乃!聞いてないよ!」
「……俺は聞いてる」
「私は聞いてないの!」
目の前にそびえ立つのは大きい建物。パネルには堂々と「hotel」の文字。
誰がどう見ても、高級ホテルだって分かる。
どうしてこうなったのかというと……
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「理乃、方向逆じゃない?駅は向こうだよ?」
事務所を出て、なぜか駅とは真逆の方向に進んだ理乃。私でもさすがに駅の方角は分かるから、理乃が道に迷ってるのかと思った。ら
「合ってる。俺たちが今から行くのは駅じゃないから」
「……え?」
そう言って理乃が見せてきたのは「ホテル 2名様 1部屋 予約済」という文字。
「なんか、予約しておいてくれたらしい」