女の人に言われた通り、理乃のやる気を出せるように頑張る、けど、
「やだ。でも紗羅が頭撫でてくれたらやる」
……なにその理論。
呆れつつもかわいいが頭を支配する。抗えずに手を伸ばして真っ黒な髪に手を置いてしまう私は、やっぱりちょろい。
「ん。元気出た」
「……ならよかった」
その後ろのメンバー達はまたコソコソ話してる。
「あそこだけ物凄い甘い空気が流れてる……」
「すごい、俺たち溺死しそう」
理乃が来たのを察してビシッと姿勢を正したメンバーたち。
「お前らなんか言ってた?」
「「言ってないですっ!」」
「……」
そんなこんなで、もう一度始まったダンスの練習。理乃のミスも1度だけだったみたいで、あとは見ているこちらを圧巻するほどの踊りをたくさん見せてくれた。



