超人気アイドルの溺愛は、私にだけ。



「……お前ら笑いすぎ」


「あははっ、ごめんごめん理乃!」


「……」


なおも笑うのを止めないみんな。理乃の目がだんだん怒ってくるのを見てハラハラした。


「り、理乃!ごめんね、勝手にお邪魔して……」


理乃の注目を逸らそうと、全然違う話題にすり替える。


「んーん。俺にとってはむしろ嬉しいぐらい。どーやってきたの?」


するとさっきまでとは真反対の表情になって、また口元に笑みを浮かべて言った理乃。


「う……。話すとちょっと長くなるかも」


さっきあったことを全部話すと、また怒ってる表情に戻っちゃった理乃。


いつの間にかメンバーの皆さんも周りに来ていて、私の話を相槌を打ちながら聞いてくれていた。


「紗羅、そいつの名前と顔と住所教えて。やってくる」


やってくるが殺ってくる、に聞こえるのは勘違いだと思いたい。