いよいよだってすごくドキドキする。
ねえ、理乃。私、私ね。伝えたい思いがたくさんあるんだよ。
気づくの遅くなって、本当にごめん。
ガチャリと開くドア。最高潮に高鳴る心臓。
「入るわよー?さっき連絡した理乃のファンの子。ちょっとは愛想よくしなさーい」
「……無理」
「あはは、お前アイドルだろ?無理って、あはは」
他のメンバーの声も聞こえるから、みんなで練習してたのかな。
なにより久しぶりに聞いた理乃の声。低くて、でも甘い。大好きな声。
「ほら、はいっておいで」
一気に出てしまうのは怖くて、でも会いたくて覚悟を決めてゆっくり入った。
ダボッとした練習着を着こなしてダルそうにしてる、理乃と視線が絡み合う。
「っ、紗羅!?」
「ごめんね、理乃。来ちゃった」
「なに、してんだよ」



