超人気アイドルの溺愛は、私にだけ。




「ち、違います!放してください!」


「な、何言ってんだよ?」


手にさらに力を込めてくるその人。ギリギリとした痛みが襲う。


う……。すごい痛い……。


「その女の子嫌がってるじゃない!放しなさいよ!」


「っ、第一誰だよお前!?関係ねー……」

「西垣事務所 広川友里恵。本物のスカウトマンですけど。最近通報が多くてねぇ。西垣事務所のスカウトマンって嘘ついて女の子を怪しいお店にいれちゃう人が」


「……へ、へえ、あはは」


「だからさぁ、警察呼ばれたくなかったらさっさとどっか行け!」


私でも怖いような、物凄い般若のような顔をした女の人。スカウトマンは「は、はいっ……!」って言って逃げていった。


あ、危なかったぁっ……!


ほっとしてその場にへたりこんでしまう。


「大丈夫?こんなところに1人でいたらダメよー。危ない大人がいっぱいなんだから」