……ほんとかなぁ?ちょっとだけ不安になって名刺をしっかり見てしまう。
「よし、一緒に行こう?僕、君をスカウトするつもりで声かけたんだよー」
うーん。いい人そうだし、大丈夫、だよね。
その人の隣に並んで入り組んだ道を進んでいく。
「名前はなんていうの?」
「如月、紗羅です」
「へぇ、いい名前だねー」
その人はさすがスカウトマン!って感じで話が上手で。あっという間に話に引き込まれてしまった。
もうすぐ着くかな?って思って周りを見ると、
「……え?」
さっきより、更に薄暗くて雰囲気も悪い場所になっていて。
なにか、おかしい。と思い始めた時にはもう遅かった。
「ん?どーしたの?」
「……あとどのくらいで着くんですか?」
「もうすぐだよー」



