……会いたい。
理乃に会いたいという気持ちは日に日に強くなっていった。わがままっていうのは分かってる。
理乃は大事な仕事をしてる最中だし、私が邪魔しちゃ絶対ダメだ。
それでも、燻り続けたこの気持ちは暴れだしそうな程に私の中に渦巻いていて。
理乃に自分の思いを伝えたくて仕方がない。
━━━━━だから、迷惑も承知で家を飛び出した。
理乃のいる場所は大手の事務所っていうのは分かるけど、一般人である私が入れてもらえるわけがない。
もちろん分かってるけど、私の中では今「常識」という言葉がなくなってしまっている。自覚はあるけど。
とりあえず電車に乗ってスマホを見ながら事務所までの道を歩いていく。
煌びやかな街。かっこいい男の子。かわいい女の子。大都会に目を引きずられる思いがする。