さっきとは真逆の立場で背中をさすってくれる先輩の姿に笑みが零れる。
よかったというか、ほっとしたというか。そんな気持ちが全身の中を駆け巡って、気分がさっきまでとは一変した。
「紗羅ちゃんは理乃のこと、好きなんだね?」
「っ、はいっ……」
「ふふ、理乃の好きな子って紗羅ちゃんかぁ。でも納得かも」
そう、なのかな。理乃はまだ、私のこと好きでいてくれるのかな。
2人で抱きしめあってると、後ろから声が聞こえた。
「心菜って、俺の彼女になるんだよね?なんで紗羅ちゃんとハグしてんの?」
「もう私、紗羅ちゃんと付き合おうかなぁ」
「え?は!?」
そんなことを言って腕の力を強めてくる先輩。神谷先輩も、動揺してるし。あんな神谷先輩、初めてみた。



