「あ、それは最近洋介とか仲のいい如月紗羅ちゃんっていう子が、偶然泣きそうな顔でそんなこと聞いてきたから!嫉妬しちゃって!ごめんねぇ」
てへぺろって舌を出す先輩。
……え?じゃあ私が勝手に勘違いしてただけってこと……?
「今日紗羅ちゃんを呼び出したのもそれを言おうと思ったの!お人好しでいい子そうだったから!」
今度はぎゅって抱きついてくる先輩。や、やっぱりこの人ツンデレだっ……!
「そ、そうなんですか」
ビックリしてもう言葉も出ない。じゃあ、私はまだ理乃のことを好きでいてもいい、ってこと……?
まだ諦めなくてもいいの……?
そう思うと喉の奥が暑くなって瞳が濡れるのが分かった。
「ちょ!?紗羅ちゃん、泣かないで!?」



