超人気アイドルの溺愛は、私にだけ。



そう言うとやっと頭をあげてくれた岡村くん。やっぱり根はいい人なのかもしれない。


怖くない、と言えば嘘になるけど、こんなに謝ってくれる人を許さないなんて胸が痛む。


「私もう気にしてないから。これからも友達として、よろしくね」


ぎこちないだろうけど笑みを浮かべてそう言い切った。すると途端に緩んだ表情をした岡村くん。


「ありがとう。如月さん。実は俺さ、氷室にめっちゃ怒られて」


「えっ、」


理乃の名前が出てきたことにビックリする。怒られたって……。

「?どーかした?」


「あ、ううん。なにも。続けて?」


「氷室がわざわざ廊下に呼び出して言ってきたんだよ。お前、紗羅が泣いてただろ。謝れ。殺すぞ。みたいな。目が本気で殺る目してたから俺、怖くて」