超人気アイドルの溺愛は、私にだけ。



先輩にとっては遊び感覚かもしれないけど、私は好きじゃない人と付き合うなんてやっぱりいやだ。


「そっかー。女子に振られたの、初めてかも」


「えっと、ごめんなさい……?」


「あはは、紗羅ちゃんは悪くないでしょ?割と本気だったんだけどなー」


絶対嘘だ。だって今だってまた泣き真似してるし。本当に掴めない人。


「まあ氷室と頑張りなよー」


そう言って髪の毛をわしゃわしゃしてくるから、ボサボサになってしまった。


「あはは……。頑張ります」


勝ち目なんてないし、勝負する気すらないけど、っていう言葉は心の奥にしまっておいた。


先輩にぐちゃぐちゃにされた髪を直すために
女子トイレへ向かう。この髪で教室に入るのは流石に躊躇われるし……。