「ねー、紗羅ちゃん?」
「はい?」
「紗羅ちゃんの好きな人ってさー、氷室 理乃くんでしょ」
「グッ、ゲホッ」
クレープが思いっきり喉に詰まって危うく呼吸ができなくなりそうになる。
「あはは、図星かな?じゃあ泣いてたのももしかして氷室のせい?」
「ゲホッ、それは、違くて。私のせいです。ていうか、なんで知ってるんですか」
むせそうになりながらもなんとか言い切った。いつもふざけている先輩が真面目な表情をして、真っ直ぐ見据えてくるからビックリする。
「……ふーん。俺が知ってるのはこの前見かけたとき、紗羅ちゃんが氷室とすごく楽しそうに話してたから」
……あ、英語の授業のとき、だ。そんなに楽しそうに見えたのかな。ドキドキはたくさんしたけど。
「そー、ですか」



