超人気アイドルの溺愛は、私にだけ。




チッと舌打ちを打って気だるそうな理乃。髪を掻きあげて不機嫌を顔に出してる。



誰だろうって聞きたいけど、理乃のプライベートに踏み込んじゃうかなってモヤモヤしていた私を察してくれた理乃。


「マネージャーだよ、電話の相手。いい所で電話かけてくんなよ」


「そっか……。なんか急すぎって言ってたけど大丈夫なの?」


「あ、やべ」


急いで部屋を出ていった理乃。玄関まで着いて行って見送る。


「コンサートの準備が1日早まったらしい。しばらく紗羅にも会えないと思うから顔、見とく」


「そ、そんな死ぬみたいに……」


「紗羅の顔見れないと俺、死ぬから」


謎の理乃の理論に気圧されて目の前の人気アイドルの顔を見つめる。