「だからさ、紗羅。俺がなんかしたときは、ごめんじゃなくてありがとうって言って。らそっちの方が俺も嬉しい」
だからさ、って何が繋がってるの!
いつの間にか腰に手も回されてるし、この体制が恥ずかしい。いやなの?って聞かれたらいや、ではない、けど……。
「っ、分かった!分かったから!」
とにかく照れるからダメ……!
「ん。いーこ」
そう言って抱きしめてくる理乃。
首元にあたる理乃の真っ黒な髪からはホワイトムスクの匂いがして。もうなんか全部理乃に任せたい気持ちになってしまう。
されるがままになっていると、理乃が突然岡村くんにもらった人形を指さした。
「てかさ、紗羅あれどーしたの?」



