食べるの早いってみんなから言われるけど、美味しいもの見るといっぱい食べたくなっちゃうんだよね。


「っと、ごめん。如月さん」

1人で走って悩んでいた思考が、「ドンっ」ていう音とともに後ろからぶつかってきた男子に遮られた。


「?全然だいじょーぶ」

どうやら周りの男子に押されてこっちまで来た模様。やめろよー、っていって笑いながら友達の方へ戻っていく。あの人の名前、なんだったかな。

男子っていっつもこうやってバカにし合ってるのに全然仲違いするとかいう感じではないから、距離感がよくわかんない。


まだバシバシと背中を叩かれながらニヤニヤしてこっちを見てくる彼ら。視線は私に向けられているような……?