超人気アイドルの溺愛は、私にだけ。



「如月さんが何言ってるのかはちょっとよく分かんないけど、俺のこと好きなんでしょ?クラスのヤツらが聞いてたって言ってたし」


「それは、違うのっ……!誤解で、」


「あーはいはい。もーいいから俺と付き合っとけばいいんだよ!」


そんなむちゃくちゃな理論をたてて私の腕を乱暴に掴んでくる岡村くん。


抵抗しようと重心を後ろにすると、くい込んでくる爪がとても痛い。


「やめて岡村くん!痛い!」


「……」


無言で引きずられていくしかない私。


精一杯抵抗するけど、女と男の力の差にはどうしても抗えない。


悔しくて思わず目に涙が浮かんできたとき、


「紗羅になにしてんだよ、岡村」


とてつもなく怒った表情の理乃が現れた。