椎名ちゃんの指示に従っていると、どんどん髪や顔に何かが塗られたり付けられたりしていく。


慣れない感触に変な声が出たり、体がふるえたりしたけど淡々と進んでいくからそこまで怖くはなかった。



むしろどう変わるんだろうってわくわくする感覚。


「はいっ、できた〜!!」


目を開けて鏡を見ると、私とは信じられないようなキレイな人がいた。


「え?誰……?」


目は大きくてまつ毛は長いし、鼻も高くて唇はうるうる。ほんのり染まったピンクのほっぺに緩く巻かれている髪。



「やだなぁ、紗羅に決まってるでしょ!」


「っえ!?椎名ちゃん、スゴすぎ!」


私じゃないような人が私と同じ動作をするからビックリしちゃう。