━━━━土曜日。
理乃にこれ以上勘違いされたくなくて、行こうか迷っていたけど、先に約束していた椎名ちゃんの恋の発展のためにも断るわけにいかないと判断した私。
椎名ちゃんと買い物に行ったあと、私はなぜか椎名ちゃんの家にあるドレッサーの前に座らされていた。
「し、椎名ちゃん?これはどういう……」
「紗羅、メイクしたこととか髪巻いたこと1回もないでしょ!?」
「そうだけど……」
「だから私、可愛すぎる紗羅をめちゃくちゃ可愛すぎる紗羅にしたいと思ってたんだよね〜!」
「えぇ……」
椎名ちゃんの言っていることが理解できない。私が可愛いなんて、あるわけないのに。
そう言おうと思っても、椎名ちゃんはヘアアイロンをあっためたりと、準備を始めていて。
言える雰囲気ではなかったので心の中に留めておいた。
「紗羅、目閉じて」