手招きされるけど、隣にいる女の先輩がすごい目つきでこっちを見てくる。美人だからこそ睨むとすごい迫力。
「や、その私はほんとに大丈夫、です」
また中学のときみたいに目をつけられても困るし。逃げ出そうと身を翻すと腕を掴まれた。
「俺が、紗羅ちゃんと話したいの。ごめんちょっとどっか行っててくれる?」
「っ、洋介!私は……!」
言いかけて無言になった先輩。唇を噛み締めて駆け出し、どこかへ行ってしまった。
申し訳なさと罪悪感がつのる。
「神谷先輩!私は本当に大丈夫だから追いかけてくださ……」
「また呼び方戻ってる」
「え」
「洋介って呼んでって言ったよね?」



