超人気アイドルの溺愛は、私にだけ。



「わ、大丈夫?って、紗羅ちゃんじゃん」


「っえ?あ、神谷、先輩……」


ぶつかったのは、前に職員室と間違えて入った生徒会室で会った生徒会長の神谷先輩。


前会った時と同様、隣には髪の長いキレイな先輩。私のことを見て顔をしかめている。


この視線、苦手だ……。理乃の隣にいたとき、何回もされたことがある視線。


「紗羅ちゃん?泣いてるけどどーかしたの?」


そう言われて頬に手を当てると濡れていて、泣いていることが分かった。


「っはい、大丈夫、です」


なおも止まらない涙。なんでこんなに涙が出るのか自分でも全然分からない。


「絶対大丈夫じゃないでしょ。ちょっとこっちおいで」