途端に好きだっていう感情が頭を支配したから。どうやったって俺はこの子に抗えない。
だったら、もう、
━━━━━どれだけ時間をかけてもいいから、絶対に堕とす。
俺の中で決意が固まった瞬間だった。
高校も、紗羅が月精高校の推薦をもらったという情報を手に入れて俺もそこにした。
1年生は仕事も忙しく、全く関われなかった。
でも、頭の中は紗羅ばっかりで、体育祭。ダルいと思ってテキトーに走ってたけど、紗羅の姿を見た瞬間にちょっとでもかっこよく見られたくて、全力で走ったら高校の歴代記録が出た。
紗羅が見ててくれたかも。って思えば、いくらでも苦しい思いなんてできる。
でも、なんの接点もないまま2年生。一緒のクラスになれた。
すっげえ嬉しくてクラス表を見た瞬間、口元がだらしなくゆるんだほど。
それに加えて夏。母さんに今日から一人暮らしと聞かされて、たくさんの荷物を持って行った場所には紗羅がいて。
ちょっと強引だったけどここが最高のチャンスだって思ってすごく嬉しかった。



