でも、そのあと紗羅の口から出てきたのは
「……もう理乃とは話せない」
「……は?」
「ごめんね、NOXのファンの子たちに言われたの。理乃の迷惑になってるって」
「紗羅っ、俺は……!」
「じゃあね、バイバイ」
一方的に紗羅は俺に別れを告げた。
迷惑なんかかけてないのに。むしろ俺がかけてるのに。
とっさに言葉が出てこなくて、髪をグシャって掻き乱して。アイドルなんかやった意味あんのかなって思って。契約あるから辞められないし。
なんとも言えない感情が、頭の中を支配した。諦めた方が、いいのかなとか思った。
でも次の日学校で俯いている紗羅を見かけたら、ダメだった。



