超人気アイドルの溺愛は、私にだけ。



でも突然、施設の電気がふっと消えた。遅い時間だったから教室に暗闇の中2人残された俺と紗羅。



ゾッとした。今までこーなると怖い〜とか言って擦り寄ってくる女しか見たことがなかつたから。


でも、紗羅は違った。

紗羅は、わざわざ窓に走りよって、雷を見始めた。


「わあっ、すごいっ!」


なぜか目をキラキラさせて雷をすごいと言っている女がいるなんて、信じられなかった。



いや、フツー雷って「すごい」ではねーだろ。大きな音をたてる雷も、紗羅は嬉しそーに眺めてて。


気づいたら俺は口元がゆるんでいた。

女子に嫌いっていう感情以外を持つのはいつ振りだろう。



こんなに面白いって思う女、初めてだった。
かわいいって思う女も。