━━━━唇に柔らかいものが当たった。
目の前にはドアップの漆黒の瞳と美しい肌。
一瞬なにをされたのか分からなかった。でも直後、キスされたことに気がついてこれ以上ないほど体全体が熱をもつ。
「なっ、なっ、なにして……っ」
「覚悟してて。絶対振り向かせるから」
絶対好きになったらいけないのに、断れない。体が、口が、動かせない。
理由なんか説明できない。顔は真っ赤になるのに。
もう、分かんないよ……!
舌で自分の唇をペロリと舐めた理乃。艶っぽさがとにかくヤバい。耳元のピアスがキラリと光って。
「早く俺のこと好きになって、紗羅」
こんなの絶対、心臓もたないっ……!



