「あら、そーなの?それは残念……。芸能人は大変ねぇ」
「いーですよ。俺、別にあとで食べればいいんで」
「あらありがとう!もう、こんなに立派になっちゃって!じゃあ行きましょ!」
さらりと言った理乃。大丈夫、なのかな。
前を楽しそうに歩く先生の後ろで理乃に小さい声で聞く。
「ねぇ、今日1回も休めてないよね?だから理乃だけ帰っても……」
「夜道の中1人返せるわけない。俺は紗羅が楽しそうだからいいよ」
優しいなぁ。また胸が高鳴る。
その理乃の優しさを受け取っていいのか悩むけど、こういうときの理乃は何を言っても聞いてくれないから、私が折れるしかない。
「う、わかった。ありがとう」
「ん」



