不意に理乃がそう言って私の頭を軽く撫でた。
「っ、!なに?」
「頭の髪、はねてる」
「っえ、ほんとっ、」
慌てて髪を平らにしようと撫でる。うわ、確かになんか変なはね方してるよ……。
「治った?」
「ん、キレイになった」
そう言って今度は髪を弄ぶから、びっくりした。
「あ、ありがと」
照れてるのがバレないように髪で顔を隠して早足で歩く。
すると理乃はフツーに追いついてきた。さっきまでは私の歩幅に合わせてくれてたんだろう。
そういう気遣いもできるなんて反則だよ。
それにしても理乃の足、長くなったな……。小学生のころはまだそこまで差がなかったのに……。



