「紗羅、また顔赤いけど」
「っ、静かにして……!」
またかなりキョリが近い。おまけに理乃の体からは柔らかいシャンプーの香りがして。
ドキドキしないわけがない。
余裕たっぷりの顔で見つめてくる端正な顔。その瞳の黒は私を遊んでるとしか思えないような、そんな色で。
「ほら紗羅。手動かさないといつまで経っても終わらないよ」
「分かってるもん……!」
急いで終わらせてシャワーを浴びに行く。
「おやすみ!」
それだけ言ってリビングのドアを閉めた。ドアの裏で顔を赤くしてずるずるとしゃがみこむ。
「あれは、反則……」
顔の熱はしばらく消えそうになかった。



