「まず茉白さんはスマホに写真加工用のアプリを入れて—」

「写真はとにかく明るさが命です。あとは背景にかわいい柄の紙とか布をひいて—」

「佐藤さんにかわいい画像にしてもらうのもアリで—」

「うちの場合は商品紹介メインなので、社員のランチ投稿とかは誰も興味ないんで、やめましょうね。でもオシャレなカフェでポーチの写真投稿とかはアリです—」

「文章はテンション高めに顔文字とかも使ったらかわいいですけど、茉白さんてそういうの絶対苦手だから…例えば花柄の傘の紹介だったら、文章なしでお花の絵文字に“#傘” “#花柄大好き”とかだけで全然オッケーです— 」

莉子のレクチャーはどんどん進んでいく。茉白はただただ感心してついていくのがやっとだ。

「すごい莉子ちゃん!3日でフォロワー50人になったよ!コメント書いてくれる人もいる〜」
茉白は日に日にフォロワーが増えることに嬉しさを隠せない。

「まだまだですよ〜!」

「え」

「雑貨好きなインフルエンサーはどんどんフォローしてください。あとはうちの商品を使ってくれてる人がいたら積極的に“いいね”してください。私も移動時間とかにチェックしますね!」
「う、うん!」

「あとは、フォロワー100人くらいになったらプレゼント企画でライト層のフォロワーを増やしましょ!」
「莉子先生…」

莉子のおかげで、2週間が経つ頃にはフォロワーが700人を超えていた。