遙斗が次に訪れたのは高級フレンチレストランだった。
茉白は本来遙斗が来るべき店だ、と妙に納得したが自分自身には不釣り合いだとも思った。
「雪村専務…あの、もう少しなんていうかカジュアルなお店の方が…」
「席は個室だし、ドレスコードにも合ってるからそんなに緊張しなくて大丈夫だよ。」
茉白を落ち着かせるように、遙斗は微笑んで言った。
個室に通されると、飲み物も料理も茉白の好みに合わせて遙斗がオーダーした。
「…今日も米良さんはいらっしゃらないんですね。」
居酒屋とは比べ物にならないくらい緊張してしまい、無難な話題をさがす。
「新婚旅行に行ってる。」
「そういえばこの前お会いしたときに、もうすぐ行くって言ってました。」
「米良がいた方が良かった?」
「い、いえ…そういうわけでは…」
「じゃあ二人きりの方が良い?」
遙斗がイタズラっぽく笑って聞いた。
「え!?えっと…」
「俺は二人きりが良いよ。」
遙斗が急に落ち着いた声で言うので、茉白の心臓のリズムが早くなる。
(………)
「電話のときからなんか元気ないけど。」
「…………はい。ちょっと仕事がうまくいってなくて…」
いつもなら相手に心配させまいと否定する茉白だが、今回は素直に頷いた。
「会社を守るって、難しいですね…」
茉白はそれだけ言って困り顔で笑った。
茉白は本来遙斗が来るべき店だ、と妙に納得したが自分自身には不釣り合いだとも思った。
「雪村専務…あの、もう少しなんていうかカジュアルなお店の方が…」
「席は個室だし、ドレスコードにも合ってるからそんなに緊張しなくて大丈夫だよ。」
茉白を落ち着かせるように、遙斗は微笑んで言った。
個室に通されると、飲み物も料理も茉白の好みに合わせて遙斗がオーダーした。
「…今日も米良さんはいらっしゃらないんですね。」
居酒屋とは比べ物にならないくらい緊張してしまい、無難な話題をさがす。
「新婚旅行に行ってる。」
「そういえばこの前お会いしたときに、もうすぐ行くって言ってました。」
「米良がいた方が良かった?」
「い、いえ…そういうわけでは…」
「じゃあ二人きりの方が良い?」
遙斗がイタズラっぽく笑って聞いた。
「え!?えっと…」
「俺は二人きりが良いよ。」
遙斗が急に落ち着いた声で言うので、茉白の心臓のリズムが早くなる。
(………)
「電話のときからなんか元気ないけど。」
「…………はい。ちょっと仕事がうまくいってなくて…」
いつもなら相手に心配させまいと否定する茉白だが、今回は素直に頷いた。
「会社を守るって、難しいですね…」
茉白はそれだけ言って困り顔で笑った。