ワケありモテ男子をかくまうことになりました。



「ゆい〜、今のワードセンス天才すぎた!」

「あははっ、ハンバーガー状態って。表現面白すぎでしょー」


尻尾を振って私に笑いかける大型犬と、面白そうに笑う清楚でかわいい杏月。

滝口くんはほっと胸を撫で下ろして、私にペコリとお辞儀した。


そうして七時間目は無事に終わり、グループ分けも完了した。教室で帰りのホームルームをしてやっと放課後になった。


杏月と途中まで一緒に帰って、道が分かれるところで別れる。

家に着き、制服からラフな格好に着替えた。


家の中を見渡し、そこに犬飼くんの姿がないことに違和感を覚えてしまう。


もう私の世界から犬飼くんは消えたというのに、こうしてうだうだと考えてしまうのはなぜだろう。


心の中で問いかけてみても、答えは出てこない。


「……はぁ、勉強しよ」


煩悩を取り払うために、私は自室にこもって勉強を始めた。


ずいぶんと机に向かっていた気がする。

壁時計を見ると、もう八時を回っていた。


「わ、もうこんな時間っ。ご飯作らなきゃ……!」


私は慌てて立ち上がり、勉強道具を雑に一箇所にまとめてからキッチンへ走った。


冷蔵庫にあるものでぱぱっと夜ご飯を作って、食卓にお皿を並べる。

一人の空間で小さくいただきますと呟いて、激辛麻婆豆腐をスプーンで掬って口に入れた。