「これまでのこと……? えー何それ」
「……、小中学校の宿泊学習、遠足、修学旅行。ぜんっぶ凛大が私と一緒がいいってうるさくて、ずっと同じグループだったの覚えてない??」
私は大まじめに、切実にそう訊いたはずだった。
それなのに凛大はキョトンとした表情を浮かべて、当然のように言った。
「うん、覚えてるよ。だから今回もゆいと一緒がいいの」
私はここで初めて、ピュアって恐ろしいものだったんだと思い、茫然とした。
「……分かっ、たよ。同じグループになればいいんでしょなれば!」
最後は半ば投げやりな感じで了承した。
凛大にこうして言い負かされるのはもう何度目か。
今年の十二月にある修学旅行も同じ班になる未来しか見えないんだけど……。
「やったあー! ゆいと一緒♪ ゆいと一緒♪」
凛大の表情は真夏の太陽が差したように明るく、馬鹿みたいに踊り始めた。
周りの女子たちはそれを聞いて残念そうに肩を落としている。ように見えた。
「ゆい~、もちろん私とも組んでくれるよね?」
杏月がいたずらっ子のような笑みを浮かべて近づいてきた。
この状況を楽しんでいるみたいだ。
「うん、もちろん」
「ふふ、じゃあ後一人の男子、どうする?」
杏月がそう言ったタイミングで、私たちの間にぬっと人影が現れた。



