ワケありモテ男子をかくまうことになりました。



頭の片隅にあるのは、やっぱり無表情な犬飼くん。


どうしてここまで表裏が激しいのだろうと不思議に思うけれど、そこまで踏み込む気分にはなれない。

だって私は、もう誰かと必要以上に仲良くなるつもりはないから。


教室に担任が入ってきて、皆が席に着いていく。


杏月はまだ話したそうにしていたけれど、仕方なく席に戻った。


私は目を閉じて深呼吸してから、今日一日をスタートさせた。


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二時間目の休み時間。

今日の朝ごはんはパン一つだけだったから少し小腹が空いて、自販機に飲み物とゼリーを買いに行った。


教室に戻る時、人より一つ頭の飛び抜けた犬飼くんが視界の端に映った。

その手には、私と同じように飲み物と栄養補給菓子がある。


「……っ」


一瞬だけ、目が合ったような気がした。


私はすぐに目を逸らして、ドキドキと早まる心臓を収めるよう努める。


っ、これには別に、恋愛的な意味はないし。

ただ、朝ごはんに同じものを食べて、同じようにお腹が空いている状況が何だかおかしかっただけだし。