───確か、事の発端は夜ご飯を食べ終えてからのことだった。
「やっぱ雨宮さんの手料理美味かったな〜」
犬飼くんはお腹をさすりながら言った。
「お世辞をどーも」
「お世辞なんかじゃないって! 本心から言ってるのにぃ」
適当に犬飼くんの相手をしながら食べ終わったら食器を片付けていく。
「あ、俺皿洗うよ」
自分の食器を持って台所に来た犬飼くん。
「そう? よろしくね」
今思えば、何も思わずに頷いたのがいけなかったのかもしれない。
リビングでゆっくりテレビを見ている時に、皿洗いを終えた犬飼くんが急に私の前で土下座をした。
「ほんっとうにお願い!! 多分これ断られたら、俺明日から野宿になっちゃう」
「……何?」



