街灯に照らされる道を歩きながら、ぼんやりと物思いにふける。
あの日、学校で見た犬飼くんは今の犬飼くんと全然違った。
私の家にいる時の犬飼くんはいつも明るく元気でうざったいくらい口数が多いイメージなのに、学校ではまるで正反対だ。
冷徹な雰囲気を放ち、無表情で、言うならば氷の王子様のように人の中心に佇んでいた。
「犬飼くんってさ、」
少しでも知りたいと思ってしまった気持ちが私の口を動かした。
「ん?」
「学校と私の家での人柄、全然違うよね。……それって、どういう理由?」
私が問いかけた後の犬飼くんの表情を見てしまったら、知りたいなんて気持ちはすぐにどこかへ消えて行った。
「えっと、それは……」
「っ、やっぱいい、答えなくていい」
私は慌てて付け足した。
私がそう言うと、犬飼くんはどこかほっとした表情を浮かべて、私から視線を外した。



